歯のインプラント手術の流れ
歯のインプラント手術の流れ
こんにちは!いろどり歯科です!
歯のインプラント手術の流れ
はじめに
歯のインプラント治療は、失った歯を人工的に回復する現代歯科医療の選択肢として広く認められています。インプラントとは、チタンなどの生体親和性の高い材料でできた人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。この治療法は見た目や機能性に優れ、適切に行われれば長期間使用できる利点があります。
本稿では、インプラント手術の流れについて、初診から最終的な人工歯の装着まで詳細に解説します。治療を検討されている方が、事前に理解し準備するための参考になれば幸いです。
インプラント治療の適応
インプラント治療は以下のような状況で検討されます。
- 一本または複数の歯が失われている
- 入れ歯やブリッジに不満がある
- 残っている歯を削りたくない
- より自然な見た目と機能を回復したい
ただし、全ての方がインプラント治療に適しているわけではありません。顎の骨の状態、全身の健康状態、口腔内の衛生状態などにより、適応は異なります。特に以下の条件がある場合は、慎重な検討が必要です。
- 骨量や骨質が不十分
- 重度の歯周病
- コントロール不良の糖尿病
- 重度の喫煙習慣
- 特定の薬物療法(特に骨粗しょう症治療薬のビスフォスフォネート系薬剤)
治療の流れ
1. 初診・検査・診断
インプラント治療の最初のステップは、歯科医師による詳細な診察と検査です。この段階では以下の項目が行われます。
- 問診(全身の健康状態、口腔内の状況、治療の希望など)
- 口腔内検査(歯や歯ぐきの状態確認)
- レントゲン撮影(パノラマX線写真)
- CT撮影(顎の骨の三次元的評価)
- 口腔内写真撮影
- 歯型の採取(必要に応じて)
これらの検査により、医師はインプラント治療の適応性を判断し、骨の量や質、神経や血管の位置など、手術計画に必要な情報を得ます。精密な検査と診断は、安全で成功率の高いインプラント治療の基盤となります。
2. 治療計画の立案と説明
検査結果をもとに、歯科医師は個々の患者に最適な治療計画を立案します。この段階では以下の内容について詳しい説明があります。
- インプラント治療の具体的な方法
- 骨造成の必要性
- 治療期間の見込み
- 費用
- リスクや注意点
- 代替治療法の提案
患者は説明を聞いた上で、インプラント治療を受けるか最終的な判断をします。不明点があれば、この段階で質問することが大切です。治療計画は患者の生活スタイルや予算、希望なども考慮して、個別にカスタマイズされるべきものです。
3. 術前準備
インプラント手術の前に、口腔内環境を整えるための準備が必要です。
- 残存する虫歯の治療
- 歯周病治療(スケーリング、ルートプレーニングなど)
- 必要に応じて抜歯
- 口腔衛生指導
これらの処置により、インプラント手術の成功率を高め、術後の合併症リスクを減らします。場合によっては、抜歯後に骨が十分に治癒するまで数か月待つこともあります。健康な口腔環境はインプラントの長期的な成功のための重要な基盤となります。
4. インプラント一次手術(インプラント体の埋入)
準備が整ったら、いよいよインプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込む一次手術を行います。
手術前
- 局所麻酔を行います(必要に応じて静脈内鎮静法を併用)
- 手術室や機器の滅菌準備
手術中
- 歯ぐきを切開し、骨を露出させます
- ドリルで骨に穴を開けます(インプラント埋入窩の形成)
- インプラント体を骨内に埋入します
- 骨量が不足している場合は骨造成を行います
- 歯ぐきを縫合します
一次手術の所要時間は、1本のインプラントであれば30分〜1時間程度です。複数本の場合や骨造成を行う場合は、それより長くなります。手術は精密なコンピューターガイドを用いることで、より安全かつ正確に行われることもあります。
骨造成について 顎の骨の量が不足している場合、以下のような骨造成が必要になることがあります。
- GBR法(骨再生誘導法):骨補填材と吸収性または非吸収性メンブレンを用いる方法
- サイナスリフト:上顎洞底挙上術とも呼ばれ、上顎奥歯部の骨量を増やす方法
- 自家骨移植:患者自身の体から採取した骨を移植する方法
骨造成を行った場合、骨の治癒には通常より長い時間(4〜6ヶ月以上)が必要です。
5. 治癒期間(オッセオインテグレーション)
一次手術後、インプラント体が顎の骨と結合する「オッセオインテグレーション」と呼ばれる過程が必要です。この治癒期間は通常、下顎で3ヶ月程度、上顎で4〜6ヶ月程度です。骨造成を行った場合はさらに長くなることがあります。
治癒期間中の注意点:
- 術後1週間程度は、手術部位を刺激しないよう注意
- 軟らかい食事を心がける
- 丁寧な口腔ケアを行う
- 禁煙を徹底する
- 定期的な経過観察を受ける
この期間中は、必要に応じて仮歯を装着し、審美性や機能を一時的に回復することもあります。特に前歯部のインプラントでは、見た目の問題から仮歯を用いることが多いでしょう。
6. インプラント二次手術(アバットメント連結)
オッセオインテグレーションが完了したら、二次手術を行います。この手術では、インプラント体に人工歯を支えるためのアバットメント(支台部)を連結します。
- 局所麻酔を行います
- インプラント体の上の歯ぐきを切開または小さな穴を開けます
- インプラント体に装着されているカバースクリューを外します
- アバットメントを装着します
- 必要に応じて歯ぐきを縫合します
二次手術は一次手術より簡単で、所要時間も短いです(約15〜30分程度)。なお、一回法インプラントの場合は、一次手術でアバットメントまで装着するため、二次手術は不要です。
7. 印象採得と技工操作
二次手術後、人工歯(上部構造)を製作するための印象採得を行います。
- 専用の印象用コーピングを装着
- 精密印象材で口腔内の状態を記録
- 咬合採得(上下の歯の噛み合わせの記録)
- 歯の色調選択
採取した印象をもとに、歯科技工士が人工歯を製作します。この工程には通常1〜2週間かかります。最近ではデジタル技術を活用した光学印象や、CAD/CAM技術による精密な上部構造の製作も普及しています。
8. 上部構造の装着
完成した上部構造(人工歯)を装着します。
- 試適(形や色、噛み合わせの確認)
- 必要に応じて調整
- 最終的な装着(スクリュー固定またはセメント固定)
装着後は、噛み合わせの微調整を行い、清掃方法などの指導を受けます。適切な噛み合わせはインプラントの長期的な成功に不可欠です。
9. メインテナンス
インプラント治療の成功は、治療後の適切なメインテナンスにかかっています。
- 3〜6ヶ月ごとの定期検診
- 歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニング
- レントゲン検査による骨の状態確認
- 日常的な適切な口腔ケア(専用ブラシの使用など)
適切なメインテナンスを行うことで、インプラントは10年以上、場合によっては一生使用できることもあります。自然歯と同様に、日々のケアが最も重要な長期成功の鍵となります。
インプラント治療のリスクと合併症
インプラント治療には以下のようなリスクや合併症が伴うことがあります。
- 術中・術後の痛みや腫れ
- 出血
- 感染
- 神経障害(しびれなど)
- インプラント周囲炎(インプラント周囲の炎症)
- オッセオインテグレーションの失敗
- 上部構造の破損や脱離
これらのリスクを最小限にするためにも、信頼できる歯科医師の選択と術後の適切なケアが重要です。適切な治療計画と技術、そして患者さん自身のメインテナンスへの協力が、リスクを大幅に低減させます。
まとめ
インプラント治療は、失った歯の機能と審美性を回復する優れた方法です。治療期間は一般的に数ヶ月から半年以上かかりますが、適切に行われれば長期間使用できる利点があります。
治療を検討する際は、十分な情報収集と信頼できる専門医との相談を行い、自分に合った最適な選択をすることが大切です。また、治療後も定期的なメインテナンスを欠かさず、インプラントを長く保つよう心がけましょう。インプラントは適切なケアを続けることで、自然歯に近い機能と審美性を長期にわたって維持することができる、現代歯科医療における素晴らしい選択肢と言えるでしょう。
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