ジルコニアクラウンの特徴と利点

ジルコニアクラウンの特徴と利点

こんにちは! いろどり歯科です!!

はじめに

ジルコニアクラウンは、近年ますます注目を集めている歯科補綴治療の一つです。ジルコニアという素材は、その高い強度と審美性から、前歯から奥歯まで幅広く使用されており、従来のメタルクラウンやセラミッククラウンに代わる選択肢として評価されています。本稿では、ジルコニアクラウンの特徴、メリットとデメリット、治療の流れ、費用、そしてメンテナンスについて詳しく解説します。

ジルコニアとは?

強度と耐久性

ジルコニアは、酸化ジルコニウムを主成分とする非常に硬い素材で、工業分野でも使用されるほどの強度を誇ります。この特性が、歯科治療において非常に重要な役割を果たします。ジルコニアクラウンは、従来の金属クラウンやセラミッククラウンに比べて割れにくく、長期間使用しても形状や色が変わりにくいため、耐久性が高いという利点があります。

審美性

ジルコニアクラウンの大きな魅力は、その審美性です。天然歯に近い色合いと透明感を持ち、光を透過させるため、特に前歯の治療においては自然な見た目を保つことができます。従来の金属を使用したクラウンでは、笑った時に金属の色が見えてしまうことがありましたが、ジルコニアは全てが白い素材のため、審美性が大幅に向上します。

金属アレルギーのリスクがない

ジルコニアは、金属アレルギーのリスクを回避できる非金属素材であるため、金属アレルギーを持つ患者にも安心して使用できるというメリットがあります。特に金属アレルギーが気になる方にとって、ジルコニアは非常に優れた選択肢です。

ジルコニアクラウンのメリット

高い審美性

ジルコニアクラウンの審美性は非常に高く、前歯や目立つ部分に使用する場合に最適です。透過性があり、天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目を実現できるため、特に美しい仕上がりを求める方にとって理想的です。

耐久性に優れる

ジルコニアクラウンは、非常に高い強度を持っているため、奥歯のように咀嚼力が強くかかる部分でも長期間使用することができます。他のセラミック素材に比べて割れにくく、耐摩耗性にも優れているため、日常的な使用でも劣化しにくい点が特徴です。

金属を使用しない

ジルコニアクラウンは金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がないだけでなく、金属が露出して見えてしまう心配もありません。また、時間が経過しても歯茎が黒ずむことがなく、審美的に長期間美しい状態を保つことができます。

生体親和性が高い

ジルコニアは生体親和性が高く、口腔内での適応が良好です。これは、ジルコニアが体に馴染みやすい材料であるため、長期間使用しても口内で違和感や拒否反応が少ないという特徴があります。そのため、治療後のトラブルが少なく、患者にとって快適な装着感を提供します。

ジルコニアクラウンのデメリット

費用が高い

ジルコニアクラウンの最大のデメリットは、その費用です。保険適用外の治療となるため、他のクラウン治療に比べて高額になることが多いです。治療費はクリニックによって異なりますが、1本あたり数万円から十数万円程度が一般的です。しかし、長期的に見ればその耐久性や審美性を考慮すると、コストパフォーマンスが高い選択肢となる場合もあります。

製作に時間がかかる

ジルコニアクラウンは、精密なデジタル技術を使用して製作されるため、通常のクラウンよりも製作に時間がかかることがあります。歯型をデジタルスキャナーで取得し、3DプリンターやCNC機械で精密に加工するため、治療には複数回の通院が必要となる場合があります。特に、歯科医院によっては、技工所との連携や製作のスケジュール調整が必要となることがあり、治療期間が延びることがあります。

割れにくいが修復が難しい

ジルコニアは非常に強度が高い素材ですが、万が一割れてしまった場合の修復は難しいとされています。従来のセラミッククラウンであれば、部分的な修復が可能なケースもありますが、ジルコニアの場合は割れた際に全体を再製作する必要がある場合があります。これは、治療費用や治療期間に影響を与える要因となるため、事前に理解しておくことが重要です。

治療の流れ

ジルコニアクラウンの治療は、以下のような流れで進行します。

  1. 初診と診断
    患者の歯の状態を診断し、クラウンの適用が適切かどうかを判断します。必要に応じて、レントゲン撮影やデジタルスキャンを行い、治療計画を立てます。
  2. 歯の形成
    クラウンを装着するために、治療する歯を削り、ジルコニアクラウンをしっかり装着できるように形を整えます。この際、可能な限り歯を削る量を少なくすることが重要です。
  3. 型取りとデジタルスキャン
    歯の型を取るために、従来の印象材を使用する場合や、デジタルスキャナーを使用して歯の形状を精密にスキャンする方法があります。デジタルスキャンの場合、精度が高く、より正確なクラウンの作製が可能です。
  4. 仮歯の装着
    ジルコニアクラウンが完成するまでの間、仮のクラウンを装着します。この仮歯は、見た目や咬合を一時的に保つためのもので、最終的なクラウンが完成するまで使用されます。
  5. 最終装着
    完成したジルコニアクラウンを患者の歯に装着します。装着後は、噛み合わせの調整や最終的な仕上げを行い、違和感がないか確認します。

費用

ジルコニアクラウンの治療費は、自費診療となるため、保険適用外です。治療費はクリニックによって異なりますが、一般的に1本あたり数万円から十数万円程度が相場です。治療に使用するジルコニアの品質や技工士の技術力によっても価格が変動するため、事前にクリニックでの相談が必要です。

メンテナンスとケア

ジルコニアクラウンは、他のクラウンと同様に定期的なメンテナンスが重要です。日々の歯磨きやフロスを使用した歯間の清掃に加え、定期的な歯科検診を受けることで、クラウンの寿命を延ばすことができます。また、ジルコニアは非常に硬い素材ですが、強い力がかかることで割れるリスクがあるため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、ナイトガードを使用して歯を保護することが推奨されます。

まとめ

ジルコニアクラウンは、強度と審美性を兼ね備えた非常に優れた歯科補綴治療の選択肢です。金属アレルギーのリスクを回避でき、自然な見た目を保ちながら、長期間にわたって使用することができるため、特に美しい仕上がりを求める患者にとって理想的です。ただし、費用が高額であることや、製作に時間がかかる点なども考慮し、治療を選択する際には、歯科医師との十分な相談が重要です。長期的な視点で見れば、ジルコニアクラウンは審美性と機能性を両立した優れた治療法であり、多くの患者にとって満足度の高い結果をもたらすことでしょう。

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